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236年上旬後編 

 

236年上旬後編。
ホントもうセリーナの時と同じような形式にすれば良かった。

9日。

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朝一番に届いた知らせに、驚く。レノックスさんの、お母さん……。
そして悟る。あの時の、バルデムさんと、昨日のレノックスさんの様子が少しおかしかった理由を。
どうして今日にしようと思ってしまったのか――後悔で胸が苦しい。

そんな日だけれど。

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今日は私の誕生日。

「何か欲しいって言うなら、プレゼントあげてもいいけれど、でもアンタが一番ほしいものは、あたし達じゃあげられないものでしょう?」
「――な、なんのこと?」
「あたしの娘なんだし、決めたら退くようなコじゃないとは思ってるけど――ふふふ、マクシムくんは、またなんだか微妙な顔ね」
「まあ――うん……三回目だなあ……。やっぱり何度経験しても慣れるものじゃない、か」
「あの……なんでそんな勝手に、二人で飛躍してるの?」
「まあ飛躍でもなんでもいいけど――もし、今日“約束してるなら間が悪かった”わね」
「――」
「でもね。ジークルーナ。親は自分のことよりも子供の幸せを願うものよ」
「――母さま……」
「頑張りなさい――もう一度言うけど、アンタはあたしの娘なんだから。あたしがマクシムくんを神様から取り返して、あたしだけのものにしたように、できるはずよ」
「――セリーナさん……」
「そうよね? マクシムくん」
「ああ――僕は、あなただけのものだよ。そして、セリーナさんは僕だけの――」
「もちろんだわ」
(――――この場合、私、どうするのが正解なんだろう……)
 
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二人から直接お祝いも言って貰ったけれど。
たとえば、父さまに甘えたらきっと母さまに怒られる――というかたぶん嫉妬される――し、母さまに甘えても、何故か父さまが微妙な顔をするんじゃないかと思えてならない……。

食事の後は、急いで闘士の家へ走る。

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「――馬鹿息子が、迷惑かけてるわね……」
「! いえ、そんなこと」
「あのコ、おっとりしてるから……はっきりしなくて、イライラさせちゃうかもね」
「――」
「でも――見捨てないでやって……って今の私が言うのは卑怯ね、ふふふ」
「――バルデムさん……」

お話を済ませた後、隣の部屋を覗いたら

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ベアトリスさんが、レノックスさんと何かを話していた。
私は――声をかけることができなかった。

今日は、フェリスさんとヴィルジールさんの結婚式。

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ヴィルジールさんのお母さんと、フェリスさんのお父さんはもう亡くなられている。
だからどちらも挨拶はないけれど――二人ともきっとシズニの下で喜んでいらっしゃることだろう。





 今日はもう来ていなくても、しょうがない、と思っていた。
 お母さんの側にいたいって、思うかもしれないから。
 でも――

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 レノックスさんは、ちゃんと来てくれていた。

「ごめんなさい、待たせてしまって――それに……ありがとう。来てくれて」
「いや、大丈夫。今日は、年に一度の大事な日だし――それに、父さんと母さんに追い出された」
「……追い出された?」
「君を、待たせるなって。父さんに至っては――母さんは僕のものだから僕がいればいいんだ。邪魔するな――ってさ。二人っきりがいい……って」
「――サイサリスさん……ナナイさん……」
「僕もちゃんと見送りは済ませた。だから、大丈夫――さあ、何処へ行こうか」
「子供がもう多くなる時間かも知れないけど、今日は学校の裏がいい」
「クリアの坂……か」
「あそこは、私達の想い出がたくさんある場所だから」
「――そうだね」

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「今日は昨日言ったように、話したいことがあって……」
「――うん」
「でも……」
「もし、母さんの事があって迷っているなら、その必要はないよ。今、僕は君と話をするために、ここにいるんだから。さっきも言ったけれど、大丈夫」
「……うん」

 大きく深呼吸。

「――ベアトリスさんのこと」
「――うん」
「ベアトリスさんね、六日の日の朝に話してくれたの。レノックスさんと付き合い始めたって」
「――そうなのか」
「この国、噂早いから、自然と耳に入るかもしれないけれど、自分で言っておきたかったって」
「――」
「私と、ベアトリスさん親友だから。だから、そうして話してくれて、嬉しかった」

 ベアトリスさんのきっぱりとした宣言。
 驚いたし、少し辛かったけれど――嬉しかった。

「別に、レノックスさんとベアトリスさんがお付き合いをはじめたことはいいの。子供の頃、お友達だったんだし、レノックスさんは――ベアトリスさんのこと、気にしてたでしょう? いつも」
「――!」
「だから、いつかはそうなるだろうなと、思ってた。もっと本当は早くそうなるかなとも思ってたの。もしかしたら、私とお付き合いするよりも先にってこともあったのかも――って」

 成人式の後、ベアトリスさんがレノックスさんに声をかけて、何かを話しているのを見た。
 その時、ひょっとして――と思った。

「だから。いいの。でも――」

 声が震えそうになるのを抑えて、ゆっくりと投げかける。

「あなたからも、聞きたかった」
「――ジークルーナ様」
「言いにくかったのかもしれないし、気を遣ってくれたのかもしれないけれど」
「……それは……」
「六日に送ってくれた後、時間を合わせられればって言ったよね。もちろんベアトリスさんとも出かけるようになれば、私との時間を調整しないといけなくなるから、そうなる。だからね」

 真っ直ぐに、瞳を見つめる。どこか呆然とした瞳を。
 本当は今にも溢れてきそうなものがあるけれど、堪えて。

「もし……もし、あなたがベアトリスさんとの時間をこれから、もっともっと作っていきたいって思っていて、私との時間を合わせるのが大変なら――もういいの」
「――!」
「私の事、気にしないで、ベアトリスさんとお出かけして」
「――待ってくれ。それって」
「私とベアトリスさんは親友だから。ベアトリスさんのこと、私好きだから。だから――あなたも、そうなら、私より、もう――」
「待ってくれ!」

 両腕を掴まれた。二の腕に力が籠められて少し痛い。

「君が、彼女と仲が良いのはわかってる。好きなのもわかった。でも――」

 なんだか、泣きそうな顔をしている。もう大人になった男の人なのに。

「君の、僕への気持ちは? 君は、僕より――」
「卑怯ね」
「え?」
「あなたも――私も」
「!?」
「お互いにお互いへの気持ちを言ってないんだもの」
「――そう、かもしれない」
「だから――今からもっと卑怯なことするわ」

 ベアトリスさんのことが好き。だから、ベアトリスさんが幸せになるならって、本当に思う。
 でも――

「――あなたが、好きよ。大好き」
「!」
「もちろん――“誰よりも”」

 私は、レノックスさんが――大好き。
 ベアトリスさんだからって――譲りたくない。

「あなたは――どうなの? 私は、あなたが好き。でも、あなたが私より――」

 勢いよく抱きしめられて、最後までは言えなかった。強く強く力が体に籠められる。
 顔が胸板に押し付けられて、低い声が触れたところから直接伝わってくる。

「――ごめん」
「なんで、あやまるの? どんな意味のごめんなの?」
「君が――好きだ。僕は、君を離したくない。だから――」

 少しだけ拘束が緩む。腕の中から顔を見上げると、薄らと湿った瞳とぶつかった。

「――僕から離れようとしないでくれ」
「――!」
「君が、いなくなるのは、嫌だ」

 右手をとられて引かれる。甲にレノックスさんの唇が、かすかに触れた。

「僕の側には、ずっと君がいた。それが当たり前だって。でも――」
「――当たり前じゃないわ。私は、私があなたといたいから、一緒にいたんであって、もし――」
「うん――今、痛いほどわかった。君は、君の気持ちで、いつでも僕から離れていける。当たり前なんて考えは、僕の甘えだ。君の好意に甘えてたんだ」
「……レノックスさん」
「今、本当に怖い。君が、僕の前からいなくなる――そう思ったら。そして、僕以外の誰かの所にいってしまったら――そんなのは嫌だよ。ジークルーナ様」

 瞳は両方ともまだ少し揺らいでいたけれど――すごく真剣な色をしている。

「君が、好きだ――誰よりも、一番」
「――ああ……っ」
「だから」

 頬を愛しげに撫でられる。

「――ずっと、一緒にいて欲しい。どこへも行かないでくれ――」
「……レノックス……さん」

 視界が暗くなって、レノックスさんとの距離がなくなった。
 ゆっくりと、こちらの存在を確かめるように触れてくる。ずっと深いところまで。
 呼吸が、一つになって溶け合って……。

 はじめての――“軽くない感じ”でされたキスだった。





 クリアの坂の上に、二人で並んで腰を下ろした。
 子供の頃滑って遊んだ草原を、上から見下ろすようにして。

「彼女とは、一度出かけてみたいって思ってたんだ。昔から」
「うん――知ってる。二年生のダロスの日……誘ってたよね。断られちゃってたけど」
「見られてた――というか、よく覚えてるんだね」
「だって、ダロスの日の次の日って、レノックスさんのお誕生日でしょう? だから、ああ、お誕生日にベアトリスさんと遊びたいのかなって」
「――なるほど。あの時は……誕生日はともかく、彼女と遊びたいって思ったんだ。でも、断られて――その後も結局――一度も、頷いてもらえなかった」
「……そうなんだね」
「それで大人になって、子供の頃とは違った感じで話すようになって。彼女からも話しかけてくれて――出かけてもいいって言って貰って――誘ってくれたんだ。六日の日に。驚いたけど嬉しくて」
「――うん」
「それで、二人で出かけて。正直に言えば――やっぱり楽しくてね」
「うん……」
「だから、これからも――って思った。でも――それもこれも“君が僕の側にいることが当たり前”だって思っていたから」

 大きくて長い溜息。

「彼女の事も好きだ。でも――君は違う。君は――僕に、一番必要な人だ」
「――ありがとう……そして、ごめんなさい……」
「……どうして謝るの?」
「私、嫌な女だな……って。こんな風にいきなり――決断を迫って」
「ははは。それを言ったら、僕が情けない男なんだ。はっきりしないで――君と彼女に甘えていた、僕が」

 優しく引き寄せられる。
 胸元にもたれかかると、そのまま包み込まれた。

「――好きだよ。ジークルーナ様。君は僕の、特別な人だから」
「特別……」
「昔、言ったよね。二人で出かけるって、なんだか特別な感じじゃないかって」
「うん、そうだったね」
「あの時からもうずっと、僕にとっては君が一番特別だったんだ」
「――レノックスさん」





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「今日は、送ってくれなくても良かったのに……」
「葬儀があるから?」
「うん……」
「そんなことしたら、父さんと母さんにぶっ飛ばされるよ……」
「……そういえば、バルデムさん……レノックスさんのお父さんに、奥義教えてもらったよ。これで息子をぶっ飛ばしてもいいって」
「……冗談に聞こえない……」
「ふふふ」
「そうだ。忘れるところだった」
「ん?」
「誕生日、おめでとう」
「――ありがとう」
「今年も、君と今日を過ごせて良かった。できれば来年も――一緒にいさせて欲しい」
「――うん……」





葬儀を待つ墓地へ。

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「――バルデムさん」
「これは、ジークルーナ様」
「……ありがとう、ございました」
「馬鹿息子は、あなたを泣かせないで済んだようですな」
「奥様にも……お礼を」
「最後まで気にかけてましたからなあ。僕の事だけ考えてくれればいいのに」
「――まあ」
「アイツをよろしくお願いします。僕からも――妻からも」
「――はい」

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ナナイさん――ありがとうございました。
これから、レノックスさんと一緒に、長い時を過ごしていけたらと、思います。

葬儀の後。

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「――明日も?」
「うん……今は、君と出来るだけ一緒にいたい」
「……そう……うん、わかった。明日もお出かけしよう」
「――ありがとう」

夜。

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父さまは本当に母さまを大切にしてる。
母さまも、父さまが一番。
二人のように、私も幸せになれるだろうか――レノックスさんと……。


10日。
朝から、レノックスさんに呼び止められた。

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「――どうしたの? 何か不安になった?」
「……ちょっと、夢見が……」
「あら……ふふふ。私がいなくなっちゃう夢?」
「――よくわかる……ってまあ、昨日の今日だから、か」
「ふふふ。本当にそうなんだ――大丈夫。どこにも行かないし、レノックスさんが好きよ」
「――うん」
「じゃあ、私も確かめちゃおっと。私の事、好き?」

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「もちろん。誰より君が好きだ」
「――ありがとう。嬉しい」

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「嬉しいからキスしちゃう――」
「――ジークルーナ様。なんだかこの間から……大胆だな」
「レノックスさんは優しいから。だから、私から積極的にいくことにしたのよ」
「えええ」
「ふふふ。これからも、朝の挨拶とか夜の挨拶でキスしようかな」
「――じゃあ、昨日みたいな感じで……」
「! そ、それはまた、べ、別だから。あれは、特別で……」
「ははは――残念。じゃあまあ、そういうキスは隙を見て、僕から――」
「!!!」

私と別れた後、レノックスさんは。

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今日結婚するアマラさんに「先に結婚してごめんね」とか言われてた。
アマラさんとも仲良かったんだ……レノックスさん。
フェリスさんやナタリーさんとも確か仲が良かったはずだし……モテる? 優しいから?

更に。

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また乙女様にまっしぐら……。
なんか成人したばかりの男性は、だいたいこうなるって聞いたけど……。
父さまでさえ、当時のイスカの乙女様追っかけてたっていう話だからなあ……。
乙女様ってやっぱり不思議と魅力的なんだろうな……。

そんなところを何とも言えない気持ちで見てたら

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ぴゅーっと姉さまがやってきた。

「何してるの――って、ああ……彼、乙女様追っかけてるんだ」
「成人したばかりの男の人って、皆こうなの……?」
「少しでも関わりがあれば、だいたいそうね……。ウチの旦那さんは神官様だったから、ほとんどそんなこともなかったけど……。他の同級生や先輩は両乙女様、追っかけてたわね」
「そうなんだね……」
「なんか魔力的なものがあるのかもしれないわねえ。神職の人には。私はどっちかというと……彼が追っかけられてる方が気になったんだけど」
「そういえば、バイロン義兄さま、人気あったみたいだね」
「そうなのよ……。同級生同士一番最初に婚約したルシアンナさんなんか、婚約してからも彼の所に足しげく話にきてたし、彼に神官を引き継いだパウさんの奥さんも、同じだったし……」
「――大変だったんだね……」


まあ、システィーナもプロ神官追っかけてたけどな!


昼から、

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従兄のフランキーさんの結婚式。


マクシムが来ている。フランキーはセリーナの弟ジェラールの息子なので、マクシムにとっては義弟の息子という表示になっている?はずだが……。フランキーからは「おじ」表記のはず。
そんな続柄で結婚式参列してる伴侶今までいたっけかなあ。覚えてないんだよな……。



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アマラさんのお父さんと。

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フランキーさんのお母さん、レティーシャ叔母さまの挨拶。

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子供の頃から二人は仲が良かった。
フランキーさんは乙女様の魅力にもふらふらしてたけど……。
おめでとうございます。お幸せに!


この二人の居住はフランキーがフェルタ区、アマラがエナ区。この2区画の子供もなんだか仲良くなりやすい気がするんだよねー。よくくっついてる気がする。
多分南の塔前の合流地点で、すれ違うことがままあるからなんだろうな。
闘士の家と工芸家の家の子供が仲良くなるのとまあ同じ理由だろう。



昼からのデートは。

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今日は決めさせてもらって、精霊の木へ。
昨日学校の裏へ行ったから、今日は精霊の木にきたかった――んだけど。
なんとなく少し離れたところから視線を感じるような……。


マクシムが結婚式の後からついてきてる風w
そして精霊の木からデートを終えて出てきたら、フェイ川で魚釣りしてたね!
待ってたんだな? そうなんだな?






 今日は牧場見学の日だからか、普段は子供が多くなる時間なのに、精霊の木は静かだった。

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「しーぽん、本当に見えなくなっちゃったわね」
「そうだね――それが大人になるってことだって聞いてはいたけれど、不思議だ」
「多分、今もその辺にいるんだと思うんだけど」
「懐かしいな。ここで、君がしーぽんを連れて帰るって言ったこと」
「お城の庭園なら絶対大丈夫って思ったんだけどなあ。でも……やっぱり森のお嬢さんは、こうして木がたくさんあるところじゃないと、ダメなのよね」
「そうなんだろうね。そうして、僕や君みたいな子供たちの遊び友達として、ずっとここにいる」
「ずっと、精霊の木と一緒に、ね」
「――覚えてる? 君と、ずっと一緒にいるっていったこと」
「――もちろん。忘れられないわ。だって、最後の日も、そう言ってくれたもの」
「大人になっても一緒に出かけてくれる?――って君に聞かれたな」
「そして、あなたは本当に、そうしてくれてる」
「うん――もちろんこれから先……出かけるだけじゃなくて――」
「出かけるだけじゃなくて……?」
「――ふふ……まあ、まだこれから、かな」
「……これから……ね。楽しみだわ……これから先が」
「――うん。ところで……」
「? 何?」
「――触ってもいい?」
「! こ、この間もそんなこと言ってたけど、さ、触るって、その……」
「君の――色んな所に触れたい。そして君が僕の側にいてくれるって、確かめたい」
「!!!」
「今なら、子どももいない――だから」

 返事の前に引き寄せられて、両腕に閉じ込められる。

「し、しーぽんがいるよ!」
「――僕には、見えないから」

 それ以上の抗議はさせてもらえなくて。
 大きな手が、体のあちこちにそっと熱を落としてくる。落ちた熱はどんどん熱さを増して、全身に広がって――私は、溶けてしまうのではないかと、火照った頭で思った。





夜。

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ベアトリスさんがやってきた。

「ねえ。ちょっと二人で話さない?」
「うん――私も、話したいと思ってた」
「そうだと思ってた。じゃあ、行きましょう」
「ええ」

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「あら、残念。立ち話も――なことだから、ゆっくり話したかったのに」
「ホントだね……。まだそんなに遅い時間じゃないんだけど」
「まあ――手短に少しだけ話そう?」
「うん――ベアトリスさん、あのね……」
「待って。あたしから話させて」
「う、うん」
「もう、出かけられないかもって言われたわ」
「!」
「“かも”って何よっていう感じよね。優しいのはいいんだけど、はっきりしなさいよっていう」
「あー……うん……」
「で、まあだいたいのことはわかったから、それは構わないんだけど――アイツがちゃんとはっきりするまでは、今までと変わらずやってやろうと思って」
「――ベアトリスさん」
「はっきりしないってことは、まだひょっとしたら、ひょっとするかも?――ってことじゃない」
「可能性はゼロじゃない……か」
「うん。アナタの好きな人の事、こんなこというのはなんだけど――情けないヤツ。昔っからそう」
「あはは……」
「まあ、そういうわけだから、ね」
「うん――わかった。また今度――ゆっくり話そうね」
「ええ、もちろん――っていうかさ」
「ん?」
「アナタが男だったら良かったのよ。そしたら、あたし、迷わなかったね!」
「こ、光栄だわ……」


今年酒場の主はセリーナの妹リアーナの旦那バートランド。
年始から何度か友人に飲みに誘われてるが一度も商品があったためしがない。
働け!



◇◆◇


どうにもこうにもアレなことになった236年上旬終了。
9日が! 9日が! どうしてこうなった……。

攻略的な話で言えば、頭にきてさっさとんじゃーロックかけるか? な感じで8日に約束したわけです。でも今回、ロック前のデートはすべて「お待たせ!」とこちらから話しかけ“こいつは譲れる男かどうか”を確認していたんですな。普段はだいたい受け身で話しかけられて、決めて×2→決めていいの?×2で簡単にやってきたんだけども、今回は敢えてそうしないようにしてみたと。

デートの先導の譲り合いに関しては、話しかけた場合は絶対に決める、話しかけられた場合は絶対に譲る、という感じで決めているキャラクターがわりと多い。その上、何故か絶対に自分から声をかけるor絶対に声をかけられる側、というキャラクターもいるようで。
そういう状態にずーっとはまってしまうと、突っ走っていつまでも「一緒に住みたいね」とか複数人に言い放つヤツがでてきたりするわけです……。

で、まあ今回、というか最近他の娘でお試し引き継ぎした時もちょこちょこやってたことを、レノックスとの恋愛でもやってみたと。まあ譲れないならそれはそれでも良かったんだけど。
レノックスは、決めていいの?→決めていいの?→決めて!ときて、9日にも「決めて!」と言いやがった。
「決めていいの?」と言われたらまあ状況的に見てぐずぐずしてられなかったので、ロードするつもりだったんだけどねえ。自主的にロックかけてもいいよときた。
その部分には軽く感動し、その上、デートの終了は再び「もちろん!」。
わかりやすい……。なんだ? このデートの終了会話って、そういうの反映してんの?

ちなみに10日は最初は決めたいと言うので決めてもらって行ったら、こちらが二番目の選択肢しか出なかったのでロードして決めさせてもらいましたっと。もうロックかかったから、そこんとこは攻略的な方を優先する。
最良選択肢が出ないのもさもありなんだよなーw 股がけされ放置されたもんなw

9日は本当に参ったね。朝から。まさか手動移住者であるナナイが亡くなるとは思わなくてねえ。何もこんなにドラマチックなこと起きなくてもいいんですよ……。
手動移住者は26歳の壁を越えてくる可能性があるはずなんだけどねー。サイサリスが越えるのかな。以前入れた1a1c手動移住者夫妻も第三子まで授かったけど1c妻は白髪前に亡くなったんだよなあ。

ベアトリスとのことに関しては、物凄く後悔している。こうなる可能性はあると自覚していながら、さっさとデートロックもかけずにいたのがね……。デートされたのが悔しいんじゃなくて、申し訳ないって言う……。7日のデートは朝なので、勤勉性++のベアトリスから誘ってるんだよねえ……。積極性全然ないけど、やっぱり恋人できたら、ちゃんと行動するっぽくってさ。9日も朝からまっしぐらだったしなあ。

ククリアでは恋のライバルになっても親友は破たんしない。
普通に何食わぬ顔で股がけして、そしてさらっと奪い取ったりもする。それでも親友関係は絶対に破たんしない。昔三角関係だった、永遠の乙女ドリスとそのライバルブレンダもそうだったもんなあ。あいつらはひょっとしたら、フェリックスよりお互いの方が大切だったんじゃねえかと思わないでもないんだが。
そんな前提がある状況で書いた話はなんかもう……書きながら「これでいいのかなあ……」って自問自答をずっとずっと続けてできたもので……。
私はあなたのこと好きだけど、あなたはどうなの? もしあの子より私のこと好きじゃないなら、別れる――みたいな女ってどうなのっていうさ……。
身を引こうとしてるといえば、聞こえはいいが、なんかちょっと確信犯だよな、ジークルーナっていう思いがぬぐえないwwwwww でもこういう風にしか私ごときでは書けなかった……リアルそんなに恋愛経験あるわけじゃねーしな!
まあとにかく

ベアトリスが可哀相。本当にすまなかった……。これは中の人のせいだ。
そしてこの後、彼女はまあもっといたたまれないことになり、来年中の人は頑張らないといけなくなるんだが。

ここまで書いて、今回の10代目夫婦(まだ結婚してないが)は、ジークルーナがおせおせ、レノックスは優しすぎて情けない――みたいな方針でいくことに、なる……のかな。
デートロックだけでは婚約まで基本的には別れない、その上、新しく仲良しも作る、というゲーム上の仕様のせいではあるのだが……。
情けないくせに、あれやこれやはしたいっていうのもどうしようもないな。
あ、精霊の木ではちゃんとシズニの教え?は守ってるよ、うん。

この後はまあ婚約まではまたこのパターンが続く……のか?
もうドラマはそんなにないはずなんだけど……。

category: 10代目ジークルーナ プレイ日記

thread: ワールドネバーランドシリーズ - janre: ゲーム

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